福島中央どうぶつクリニックの手術
福島中央どうぶつクリニックでは、予防薬の処方やワクチン接種などの予防医療、下痢・嘔吐、皮膚病などの一般診療だけでなく、手術にも対応しています。避妊・去勢手術はもちろん、主に胸部や泌尿器、肝胆膵、癌(腫瘍)の治療を行う軟部組織外科、椎間板ヘルニアなどの治療を行う神経外科、骨折・脱臼を処置する整形外科など、幅広い疾患に対して手術による治療が可能です。
また、術前には、安全な全身麻酔を行うため、血液検査やレントゲン検査、超音波検査など、入念に検査を行うほか、シーリングデバイスや電気メスなどを用いて動物の身体への負担が少ない手術を行います。手術後は、回復を促すため、呼吸状態や体温、血圧などに注意しながら動物を管理します。加えて、執刀医は、尿管結石40件以上、椎間板ヘルニア100件以上、胆嚢摘出40件以上などの手術経験を持ち、大学病院で研鑽を積むなど手術に精通しているため、福島中央どうぶつクリニックでは、安全で精度の高い手術を行うことができる環境が整っています。
STEP 手術の流れ
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STEP 01
術前
手術の14日前〜前日までに身体チェックや血液検査、レントゲン検査、超音波検査など、丁寧に術前検査を行います。手術が可能な場合は、手術の方法はもちろん、麻酔のリスクに関する説明を行います。
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STEP 02
手術前日
全身麻酔前には12時間以上の絶食が必要なため、食事は前夜の24時以降、お水は当日の6時以降与えないでください。
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STEP 03
手術当日
身体検査や問診により手術の実施が可能かどうかを確認後、手術同意書に記入いただいてからお預かりします。体調や病態が不安定な場合には、再検査を実施するなど、手術直前まで手術の可否を慎重に判断しています。
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STEP 04
手術
麻酔・ペインコントロール
疾患の状態や年齢に合わせて麻酔薬や麻酔量を調整し、投与します。また、治癒に影響する痛みを十分に抑えるため、複数の鎮痛薬を組み合わせて使用していきます。
感染予防
感染予防のため、毛刈りと消毒を行います。執刀する獣医師や看護師は、身体や手術用のガウンを消毒し、手術に使用する機器も滅菌済みのものを使用します。また、細菌感染予防のために抗菌剤を投与します。
管理
心拍数や体温、呼吸、血圧などのバイタルサインを管理しながら、手術を行います。
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STEP 05
術後
管理
術後は、麻酔からの覚醒を促すため、呼吸状態や体温、血圧などに注意しながら管理するほか、抗菌剤や鎮痛薬の投与を行います。
入院
手術の内容や回復の程度によっては、入院いただく場合があります。入院の場合は、面会時間内(火曜日を除く15:00〜18:30)に毎日面会することができ、獣医師から体調の説明を受けることが可能です。
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STEP 06
お迎え
当院が指定する時間に来院いただき、薬の服用方法や自宅での過ごし方、配慮すべきことなどについて獣医師より説明を行います。手術を頑張ったペットを褒めてあげましょう。
DISEASE 手術可能な疾患例
軟部外科
尿管結石
犬 猫尿管結石は、腎臓にできた結石が尿管に流入して起こり、食欲不振や嘔吐、尿量の減少、血尿などの症状が現れます。両側の尿管でほぼ同時に発生することもあり、尿が全く出ない場合は、非常に危険で命にもかかわります。
横隔膜ヘルニア
犬 猫横隔膜ヘルニアとは、横隔膜にできた穴(ヘルニア輪)を通して腹部臓器が胸部に入り込んでしまい、肺などの臓器を圧迫する病気です。猫に多く見られ、高所から飛び降りた際の外傷により発生する外傷性横隔膜ヘルニアや、腹部臓器が心臓周囲に入り込む先天性の腹膜心膜横隔膜ヘルニアが大部分を占めます。呼吸困難が主な症状ですが、嘔吐や食欲不振、疲れやすいという症状が現れることもあります。
前立腺癌
犬骨盤や腰椎、腰骨下リンパ節などに転移することが多く、オスの高齢犬が発症しやすいと言われる前立腺癌は、痛みや便秘、排尿困難などの症状が現れます。生命を維持するのに必要な排泄機能を障害する上、治療の難しい癌です。
膀胱移行上皮癌
犬 猫膀胱や尿道といった尿路に発生する膀胱移行上皮癌は、血尿や排尿困難、頻尿などの膀胱炎に似た症状が現れます。生きる上で重要な排尿機能を障害する上、転移を起こしやすい癌で犬に多く見られます。
会陰ヘルニア
犬会陰部(肛門の両脇の領域)の筋肉の萎縮により、隙間から臓器や脂肪が飛び出す会陰ヘルニアは、去勢手術を行っていない高齢犬が発症しやすいと言われ、排便困難や排尿困難、肛門横の膨らみなどの症状が現れます。
肝外胆管閉塞
犬 猫粘液(胆嚢粘液嚢腫)や胆石などが胆管に詰まることにより生じる肝外胆管閉塞は、食欲不振や嘔吐、下痢、黄疸などの症状が現れます。
口腔内腫瘍
犬 猫犬・猫の口腔内は腫瘍が比較的発生しやすい部位で、口臭や出血、食べ方の変化、体重の減少などの症状が現れます。
直腸腺癌
犬 猫直腸の分泌腺組織の細胞に腫瘍が発生する直腸腺癌は、血便や便秘などの症状が現れます。
肺腫瘍
犬 猫初期症状がほとんどない肺腫瘍は、進行すると咳や呼吸が乱れるなどの症状が現れるようになります。高齢犬・高齢猫が発症しやすく、犬猫ともに腫瘍の大半は悪性であり、肺腺癌や扁平上皮癌が大部分を占めます。
中皮腫(胸部)
犬胸腔内の臓器の表面を覆う薄い膜(中皮)が腫瘍化した状態を中皮腫と言います。広範囲に広がった腫瘍の影響で癌性の胸水や心嚢水が認められると、呼吸困難や食欲不振、嘔吐、運動を嫌がるなどの症状が現れます。治療は主に抗がん剤の投与によって行いますが、手術によって正確な診断を行い、胸水・心嚢水のコントロールを図ります。
整形外科
橈尺骨骨折
犬前足の肘から手首までを構成する「橈骨」と「尺骨」は、細く繊細な骨であり負荷がかかりやすいため、ソファやベッドからジャンプした際や転落した際などに骨折することがあります。小型犬や超小型犬に多く見られます。
膝蓋骨内方脱臼
犬膝蓋骨内方脱臼は犬に多く見られ、先天性の場合、骨や関節などの未発達や成長異常が、後天性の場合、打撲や落下などの外傷が原因とされています。無症状のこともありますが、多くの場合、時々片足で歩くなどの歩行障害の症状が現れます。進行すると膝を伸ばすことができず歩行異常が強く現れ、前十字靭帯断裂を併発することもあります。
レッグ・カルべ・ペルテス病
犬大腿骨頭が壊死することによって生じるレッグ・カルべ・ペルテス病は、成長期の小型犬に多く見られ、痛みを伴うため足をかばうように歩いたり、触れると痛がるなどの症状が現れます。
神経外科
頚部椎間板ヘルニア
犬背骨の椎間板が突出することにより頚部の脊髄を圧迫し、痛みや麻痺が生じる頚部椎間板ヘルニアは、犬に多く見られ、首を上げられなくなったりふらつきや歩行困難などの症状が現れます。
胸腰部椎間板ヘルニア
犬背骨の椎間板が突出することにより胸腰部の脊髄を圧迫し、痛みや麻痺が生じる胸腰部椎間板ヘルニアは、犬に多く見られ、排尿困難や後ろ足をひきずるなどの症状が現れます。
LIST 実施可能な手術方法一覧
眼
疾患例 | 手術 |
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腫瘍/緑内障/角膜穿孔 | 眼球摘出術(経眼瞼、経結膜) |
チェリーアイ(瞬膜腺脱出) | チェリーアイ整復(ポケット法、アンカリング法) |
眼瞼の腫瘍 | 眼瞼腫瘤切除・瞼板縫合 |
角膜潰瘍 | 眼瞼フラップ術 |
瞬膜フラップ術 |
口腔/咽頭/喉頭
疾患例 | 手術 |
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口腔内の腫瘍 | 上顎骨切除術(部分) |
下顎骨切除術(部分〜片側全摘出) | |
扁桃の腫瘍 | 扁桃切除術 |
鼻咽頭ポリープ | 鼻咽頭ポリープ切除 |
喉頭小嚢外反(短頭種気道症候群) | 喉頭小嚢外反切除 |
喉頭麻痺 | 披裂軟骨側方化術(タイバック) |
歯周病 | 抜歯・口腔粘膜フラップ術 |
耳
疾患例 | 手術 |
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重度の外耳炎/耳道の腫瘍 | 外側耳道切除術 |
垂直耳道切除術 | |
中耳炎/耳道の腫瘍 | 全耳道切除術・外側鼓室胞骨切り術(TECALBO) |
耳介の腫瘍 | 耳介切除術(部分〜全切除) |
鼻
疾患例 | 手術 |
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外鼻孔狭窄(短頭種気道症候群) | 鼻翼垂直楔形切除術 |
頚部
疾患例 | 手術 |
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唾液腺粘液瘤/唾液腺の腫瘍 | 唾液腺切除術 |
甲状腺の腫瘍 | 甲状腺摘出術(嚢外) |
上皮小体の腫瘍 | 上皮小体切除術(甲状腺部分摘出術) |
軟口蓋過長症(短頭種気道症候群) | 軟口蓋切除術 |
腫瘍のリンパ節転移/ステージング | リンパ節郭清(下顎、浅頸) |
胸部
疾患例 | 手術 |
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肺の腫瘍/肺葉捻転 | 肺葉切除術 |
中皮腫 | 心膜切除術(横隔神経下)・胸膜生検 |
胸腺の腫瘍 | 胸腺摘出術 |
食道の腫瘍 | 食道部分切除術 |
食道内異物 | 食道切開術 |
慢性的な食欲不振 | 食道瘻チューブ設置 |
外傷性横隔膜ヘルニア | 横隔膜ヘルニア整復(縫縮、横隔膜形成) |
腹膜心膜横隔膜ヘルニア | 腹膜心膜横隔膜ヘルニア整復(縫縮、メッシュ、横隔膜形成) |
膿胸/気胸 | 胸腔ドレーン設置(従来の方法、セルジンガー法) |
癌性胸水の貯留 | 胸腔ポート設置 |
前肢
疾患例 | 手術 |
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上腕や前腕の腫瘍/重度な外傷 | 断脚術 |
指の腫瘍 | 断指術 |
後肢
疾患例 | 手術 |
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大腿や下腿の腫瘍/重度な外傷 | 断脚術 |
狼爪の外傷 | 狼爪切除 |
指の腫瘍 | 断指術 |
皮膚欠損の閉鎖 | アクシャルパターンフラップ(外側膝動脈) |
尾
疾患例 | 手術 |
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尾の腫瘍/重度な外傷 | 断尾術 |
腹部・骨盤腔
疾患例 | 手術 |
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肝臓の腫瘍 | 肝葉切除術 |
肝区域切除術 | |
肝嚢胞/肝膿瘍 | オーメンタリゼーション |
門脈体循環シャント | シャント血管結紮術(部分、完全) |
胆嚢粘液嚢腫/胆石 | 胆嚢摘出術 |
総胆管切開術 | |
総胆管ステント設置術 | |
胆嚢十二指腸(/空腸)吻合術 | |
膵臓の腫瘍 | 膵臓部分切除術(左葉、右葉) |
胃内異物 | 胃切開術 |
胃の腫瘍 | 胃部分切除術 |
胃拡張-捻転症候群 | 胃固定術(切開性、ベルトループ)・胃陥入形成術 |
小腸内異物 | 腸切開術 |
小腸の腫瘍 | 腸切除吻合術(端-端、側-側)・漿膜パッチ術 |
直腸の腫瘍 | 直腸プルスルー術(粘膜-粘膜下、全層、内肛門括約筋切除) |
脾臓の腫瘍/外傷 | 脾臓全摘出術 |
腎臓の腫瘍 | 腎臓摘出術 |
尿管結石 | 尿管切開術 |
尿管膀胱新吻合術(膀胱外法、粘膜下トンネル法) | |
皮下尿管バイパス術(SUB2.0) | |
膀胱結石 | 膀胱切開術 |
膀胱の腫瘍 | 膀胱部分摘出術 |
膀胱全摘出術(尿管尿道吻合/尿管腹壁瘻) | |
前立腺の腫瘍 | 前立腺全摘出術(膀胱尿道吻合) |
膀胱前立腺摘出術(尿管尿道吻合) | |
前立腺炎 | オーメンタリゼーション |
尿道結石/尿道狭窄 | 尿道造瘻術(会陰、陰嚢前、陰嚢部) |
包皮の腫瘍 | 陰茎切除術・尿道造瘻術 |
子宮蓄膿症 | 卵巣子宮全摘出術 |
難産 | 帝王切開術 |
膣の腫瘍 | 会陰切開術・膣腫瘤切除 |
骨盤腔内腫瘤切除・恥骨-坐骨骨切り術 | |
精巣の腫瘍/精巣炎 | 精巣摘出術(閉鎖式、開放式) |
肛門嚢の腫瘍 | 肛門嚢摘出術・腹腔内リンパ節郭清(下腹、内腸骨、仙骨) |
肛門周囲腺の腫瘍 | 肛門周囲腺腫瘤切除 |
乳腺の腫瘍 | 乳腺腫瘍切除(辺縁、単乳腺、領域、片側全摘出)・ リンパ節郭清(腋窩、副腋窩、鼠径) |
ヘルニア
疾患例 | 手術 |
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会陰ヘルニア | 会陰ヘルニア整復(メッシュ、内閉鎖筋、縫縮、総漿膜)・ 結腸固定術・膀胱固定術・精管固定術 |
臍ヘルニア | 臍ヘルニア整復(縫縮) |
大腿ヘルニア | 大腿ヘルニア整復(縫縮、メッシュ) |
鼠径ヘルニア | 鼠径ヘルニア整腹(縫縮、メッシュ) |
腹壁ヘルニア | 腹壁ヘルニア整復(縫縮) |
神経外科
疾患例 | 手術 |
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頚部椎間板ヘルニア | 頚椎腹側減圧術(ベントラルスロット) |
胸腰部椎間板ヘルニア(Ⅰ型) | 片側椎弓切除術(ヘミラミネクトミー) |
小範囲片側椎弓切除術(ミニヘミラミネクトミー) | |
硬膜切開術 | |
胸腰部椎間板ヘルニア(Ⅱ型) | 部分椎体切除術(コルペクトミー) |
整形外科
疾患例 | 手術 |
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四肢の骨折 | プレートによる整復 |
ピンニング | |
レッグ・カルべ・ペルテス病 | 大腿骨頭切除術(FHO) |
前十字靭帯断裂 | 関節外法(ラテラル・スーチャー) |
脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO) | |
膝蓋骨内側脱臼 | 滑車溝形成術・外側支帯縫縮・内側支帯リリース・ 脛骨粗面転移術 |
内視鏡
疾患例 | 手術 |
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食道/胃/十二指腸内の異物 | 内視鏡下異物摘出 |
食道/胃/十二指腸/回腸/大腸の腫瘍や炎症性疾患 | 内視鏡下組織生検 |
基礎疾患による慢性的な食欲不振 | 経皮内視鏡的胃瘻増設術(PEGチューブ設置) |
鼻腔/咽頭の腫瘍 | 内視鏡による構造の観察・組織生検 |
喉頭麻痺 | 内視鏡による喉頭動的評価 |
上記以外の手術にも対応しておりますので、
お気軽にご相談ください。